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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.片頭痛2):症例(閃輝暗点、引きつけ、不思議の国のアリス症候群)

 

片頭痛2):症例(閃輝暗点、引きつけ、不思議の国のアリス症候群)


<症例>

前兆(閃輝暗点)の伴う片頭痛は20歳ころに発症。

1回目のトリガーは、光刺激。

それからは、年に数回発症するといったペース。

閃輝暗点で20-30分目が見にくくなったあと、数時間、拍動性の頭痛が生じる。

痛みは軽から中程度で、薬は飲んだことがない。

 

片頭痛の誘発因子は?

1)遺伝子異常?

・家族歴あり(母親)。

2)アルコール

・少量でも、アルコールが分解されたと思われる飲酒5-6時間後に生じる。

3)睡眠

・いつもより長く寝た時、起きたタイミング(深い睡眠時?)。

4)精神的緊張

・精神的緊張から解放される休日前-休日頭痛。

5)酸欠?

・講演会など密室の人混みなどにいると生じる。

6)視覚刺激:

・頭部を急激に動かし時に視野や飛ぶような感じになり生じる。

 

整理してみると、前兆(閃輝暗点)を伴わないものと伴うものに分かれます。

 

<前兆(閃輝暗点)を伴わない片頭痛

2)アルコール→アセトアルデヒド→血管拡張

3)過剰睡眠→血管拡張?

4)精神的緊張からの解放→副交感神経優位→血管拡張

5)酸欠→血管拡張

色々なトリガーにより血管拡張が生じて頭痛が生じていると考えられます。

血管拡張に対する閾値が低いのか、血管拡張に伴う反応が過剰なのかもしれません。

 

<前兆(閃輝暗点)を伴う片頭痛

6)視覚刺激(頭部の急激な位置変化に伴う)→CSD?

これに関しては視覚刺激の段階で、閃輝暗点が起こるのがわかります。

 

脳内で刺激に対して異常な反応が出てしまっているような感じですが、これらのことが生じる要因には思い当たることがあります。

新生児から乳児の時に頻回に引きつけを起こした経験です。

原因は不明でしたが、おそらく脳内の酸欠が原因ではないかと言われたようです。

小学生の間は、定期的に脳波の測定を行っていました。

 

つまり、先天的に酸欠に対する閾値が低いのか、酸欠の繰り返しにより脳内になんらかの影響を与えたことが考えられます。

これらにより、化学的や視覚的刺激に対して、異常な反応(CSD)が生じやすいのかもしれません。

 

また、「不思議の国のアリス症候群」の経験もあります。

不思議の国のアリス症候群」は片頭痛との関係も指摘されており、CSDとの関係も興味深いところがあります。


ちなみにこの症例、私ですが、

自分で言うのもなんですが、結構、面白い症例だと思います。

 

そして、片頭痛に対する現在の状況は、

2)アルコール → ある程度はしかたがない。

3)過剰睡眠  → 加齢により長く寝ることが出来なくなってきたので問題無し。

4)精神的緊張からの解放 → 緊張状態のコントロール(呼吸法など)により解消。

6)酸欠 → 酸欠になりそうな場所では、頻回に外に出ることで解消。

5)視覚刺激 → 光刺激や頭部の急激な動きに注意することで軽減。

 

最近は、だいぶコントロールできており、ほとんど気にならない状態です。

しかし、私の脳内はどうなっているのだろう。
誰か調べてくれないかな。