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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.変形性膝関節症 理学療法診療ガイドライン

【変形性膝関節症 理学療法診療ガイドライン

 

膝OAのコア治療:陸上運動、筋力増強運動、水中運動、自己管理、教育、体重管理(OARSIガイドライン-2014)。

 

 

参考文献

木藤伸宏:変形性膝関節症 理学療法診療ガイドライン理学療法学43(2)、2016

 

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<膝関節内転(内反)モーメント>

・膝関節内側コンパートメントの荷重を反映する指標と考えられる。

・歩行時の膝関節内側コンパートメントに生じる圧力と膝関節内転モーメントの値との関係はほぼ同様の波型波形(Zhao-2007)。
・立脚後期で増大(Sharma-1998、Astephen-2008)。

・重症化するにしたがい、立脚中期の膝内反モーメントが大きくなる。

・立脚初期から中期にかけて膝関節内反モーメントを減少させるメカニズムの欠落が膝OAの進行に関与するのではないか。

 

しかし、

・膝OAは健常者より大きいとの結果は得られない(Mills-2013)。

・膝関節内転モーメントの減少と臨床症状の改善との関係は認められなかった(Ferreirara-2015)。

・足底挿板療法は、膝関節内転モーメントを減少させるというエビデンスはない。

・装具療法は、膝関節内転モーメントを減少させるが、臨床症状の改善には懐疑的(Duivenvoorden-2015)。

 

参考文献

・木藤伸宏:変形性膝関節症 理学療法診療ガイドライン理学療法学43(2)、2016

・石井慎一郎:変形性膝関節症-歩行解析からみた理学療法の可能性、理学療法学38(8)、2011

 

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膝OAの問題となっている所は様々ありますが、

 

この内転モーメントひとつとっても、

 

踵接地で急に出る人、立脚初期、中期、後期でるひと様々。

 

その要因も足部、下腿、膝、股関節などの形状や筋機能など様々。

 

そして、臨床症状にはあまり関係なさそうな場合もちらほら。

 

難しいですね。