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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.少年野球指導者の投球障害予防に関する認識調査

【本間佑介:P1-C-0186:少年野球指導者の投球障害予防に関する認識調査、第50回日本理学療法学術大会(東京)、2015.】

 

<方法>
・2014年6月にT市の野球連盟学童部に所属した48チームの監督、コーチ137名に対し、集合調査法にてアンケート調査を実施。

 

<アンケート内容>

・指導者年齢、指導年数、少年野球指導者講習会参加の有無、予防教室の参加回数など

 

<結果>
・全回答者数131名(回収率95.6%)中、有効回答者数は101名(回収率77.1%)。

・平均年齢:41.3±5.6年

・指導年数:4.2±3.6年

・野球経験:92名(92%)、うち高校野球経験者が64名(70%)

・部員数: 「15名以下」36名(36%)、「16名-30名以下」65名(64%)。

・投手数:「3 人」43名(42%)「1 人」 1名(1%)。

・ウォーミングアップの実施率:101名(100%)、実施時間30.1±12.3分。

・クールダウンの実施率:101名(99%)、実施時間13.8±5.7分。

・1週間の練習日数:3.9±0.6日。

・練習時間:平日2.3±0.8時間、休日6.2±1.4時間。

・投球数:「51~100 球」60%。

・練習日数と練習時間の制限の提言:48名(48%)が知らなかったと回答。

・練習日数と練習時間の制限の必要性:「必ず必要だと思う」7名(7%)、「必要だと思う」61名(60%)、「あまり必要ないと思う」32名(32%)、「全く必要ないと思う」1名(1%)。

・投球制限の提言:「知っている」94名(93%)。

・投球制限の必要性:「必ず必要だと思う」48名(48%)、「必要だと思う」51名(50%)、「あまり必要ないと思う」2名(2%)。

・指導者の医学的知識の必要性:「必ず必要だと思う」14名(14%)、「必要だと思う」83名(82%)。

 

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青少年の野球障害に関しては、2005年に日本臨床スポーツ医学会学術委員会より提言がされています。

【青少年の野球障害に対する提言】

 

小学生では、

・1週間の練習日数:3日以内。

・1日の練習時間 :2時間以内

・1日の投球数  :50球未満。

が推奨されています。

 

この投球数が難しいところです。

指導者側も93%で認識していますが、投手数などの問題でオーバーしてしまいがちです。

 

先日も、リハビリ終了後1ヶ月くらいで再発して戻ってきた小学生がいましたが、やはり80球近く投げてしまったようです。

怪我明け後や投げ方に問題のある場合などは、個別に投球数や練習内容など調整していただけるといいのですが、現場ではなかなか難しいんでしょうね。