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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

大腰筋3):エクササイズ①

【大腰筋3):エクササイズ①】

 

大腰筋の機能障害が、

不良姿勢、脊柱の不安定性、大腿骨頭の不安定性などを引き起こし、

腰痛や股関節痛、歩行などの不安定性の原因になっている可能性があるとすると、

どんなエクササイズがいいのだろうか?

 

考慮すべき点としては、

 

1)大腰筋は肢位により作用が変化する

①中間位(正常な前彎位)では、L1-2椎体間には主に椎体間を圧迫、L3以下には腰椎屈曲、腰椎固定作用(市橋-2011)。

②腰椎屈曲位(前彎減少)では、L1以下全てで腰椎屈曲作用(Bogduk-1992、市橋-2011)。

③腰椎伸展位(前彎増加)では、L1-3椎体間に伸展方向、それ以下では屈曲方向のストレス(市橋-2011)。

大腰筋の筋力低下に伴い、骨盤後傾、腰椎屈曲位になっている場合では、大腰筋の収縮に伴い全腰椎が屈曲する。腰椎屈曲位からの屈曲なので、腰椎は屈曲位(前彎減少)が増強し、椎間板や椎間関節などは圧縮や圧迫されることが考えられ、不良姿勢や痛みを増悪させる可能性がある。腰椎屈曲位の場合、股関節を屈曲するexでは、股関節屈曲に骨盤後傾も伴うので、より不良姿勢を高める可能性がある。

 

2)腰椎のマルアライメントによる影響

腰椎のすべり症や側彎がある場合は、腰椎の位置が偏位しており、大腰筋の収縮が各腰椎にどのような作用を有するか不明。

exをしてみて、痛みや動作にどのような変化が生じるのかトライアンドエラーしながら行う必要がある。

 

3)腰椎の剪断力は抑制したい

腰椎に対しては圧迫と前方剪断力が働くが、前方剪断力は痛みやマルアライメントの要因となるのでできる限り抑制したい。

作用点をあまり遠位に持って行きたくないので、膝屈曲位、抵抗もかけるなら近位。

OKCよりはCKC。

股関節を腰椎に近づけるよりは、腰椎を股関節に近づける。

求心性、遠心性よりは等尺性。

剪断力の抑制には、横突起に付着を持つ後部線維が重要か?

 

4)股関節のみの屈曲角度は93.0±3.6°

深い角度の股関節屈曲位では、骨盤後傾-腰椎屈曲位となり腰椎屈曲(前彎減少)を促してしまう。

・股J屈曲45°以上から股関節屈曲作用が大きくなる(Yoshio-2002)。

・股J屈曲90°位からの等尺性股関節屈曲運動で大腰筋活動が最も大きくなる(Juker-1998)。

筋力低下に対しては90°付近でのexで十分。

深い屈曲位では腰椎の後彎を高める。

 

以上のことから、痛みや機能障害がある人に安全に行うということでは、

#1 背臥位-股J屈曲位での腰椎前彎位保持

#2 椅子座位での腰椎前彎位保持

#3 椅子座位からおじぎ:腰椎前彎位保持位の両股J屈曲:必要であればASIS付近に抵抗。

#4 背臥位-股J屈曲位、非ex側は股J伸展位での片脚股関節90°屈曲位の等尺性ex

#5 椅子座位での骨盤前傾保持位の片脚股関節自動屈曲(足底を床から少し浮かす程度)

こんな感じかな。