マインドフルネス
<マインドフルネス(MF)>
・いまの瞬間に集中しながらも現在を評価したり感情的に反応したりはしていない心的モード。
・過去や未来に意識を奪われることなく、ただ単に、あるがままのいまの状態。
・たとえば自分の身体にどんな反応が起きているか、感情や思考はどうか、他者との関係性や場の雰囲気はどうなっているかなど、この瞬間に起きていることに対して、十二分な注意を払っている状態。
・このコンディションから生まれてくる落ち着いた判断が、意思決定や行動のクォリティに寄与する。
<効果>
1)注意力、自己調整力
・1M(30分/日、5日/週)のMF瞑想が、注意力や自己調整力を改善(Tang-2012)。
・自己調整にかかわるネットワークの効率性が向上。
・注意をうまくコントロールすることが気分を制御する最も効果的な方法であると考えられる。
2)孤独感
・孤独感を低下(Creswell)
・孤独を感じていても、その孤独が自分を規定してはいないことを自覚するのをたすけることで、孤独もの辛さを軽減すると考えられる。
3)ストレス
・ストレスを感じる度合いが減り、人生の質が改善され、肯定的な影響を感じする度合いが増加。
・心理的ストレスが減り、心身両面の健康が増進し、抑うつや不安、孤独、慢性疼痛が緩和。
・社会的ストレスを伴う課題に対する基本的な生理学的反応をコントロールして和らげる能力が高まる。
4)うつ病
・3度うつ病を発症した患者に認知療法を併用した6ヶ月のMF訓練を実施→重度のうつ発症後1年間の再発リスクを40%近く低下。
・悲しみや不安を感じそうになった時に瞑想を通じて自分の思考や感情を意図的に監視、観察することによって、否定的な思考や感情が現れるのをコントロールし、反芻しないようにする。
5)慢性疼痛
・痛みを伴う感覚を解釈、変更、拒絶あるいは無視せず、その体験をありのままに観察して率直に受け止める。→痛みが弱まるわけではないが、痛みに悩む度合いが減少。
<脳機能の変化>
・8W後、左海馬、後部帯状皮質、側頭頭頂連合、小脳での灰白質の濃度が増加(Britta-2011)。
・扁桃体の体積が減少(Lazar)。
・前帯状回で情報を伝達する線維の増加→ポジティブな気分でいることが多くなる。
・白質ではミエリン鞘の質の向上→自己調整にかかわるネットワークの効率性が向上。
・灰白質部分の容量が増加→学習、記憶、共感、感情の調整にかかわる脳領域。
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俯瞰した状態で今に集中する。
自我や自己愛、
過去の失敗、反省、後悔、
将来の不安などが
心を不安定にします。
自己を客観視し、
今(現在)を生きることが改善策になるようです。
そのほうが、脳も喜んでいるようです。
参考文献
・Britta K et al: Mindfulness practice leads to increases in regional brain gray matter density、 Psychiatry Research: Neuroimaging 2011
・Matthieu Ricard:瞑想の脳科学、日経サイエンス(1)、2015
・Amishi P.Jha:マインドフルネスの効用、日経サイエンス(1)、2015
・脳を最適化する、2015