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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

3次元上の股関節の動きが大腰筋の伸張率の及ぼす影響

稲井卓真:3次元上の股関節の動きが大腰筋の伸張率の及ぼす影響、理学療法学43(5)、2016

 

 

<方法>

・先行研究によって報告されたパラメーターから、筋骨格モデルを作成。

数理モデルを用いて、股関節の角度を変化させた時の大腰筋の伸張率を検討。

 

<結果:伸張率(%)>

 

・股関節伸展角度に関わらず、外転位、内旋位で伸張率は高くなる。

・伸張率の最高値(106.5%)は、股関節伸展20°、外転20°、内旋30°。

 

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伸張率(股関節伸展20°)

第1位:106.5:外転 20°、内旋30°

第2位:106.0:内外転0°、内旋30°

第3位:105.4:外転 20°、内外旋0°

第4位:104.8:内外転0°、内外旋0° ※内外転-内外旋中間位

第5位:104.5:内転 20°、内旋30°

第6位:104.4:内転 20°、外旋30°

第7位:104.1:内外転0°、外旋30°

第8位:104.0:内転 20°、内外旋0° / 外転20°、外旋30°

 

この結果からは、大腰筋のストレッチをする場合は、伸展20°、外転20°、内旋30°位がベストのようです。

 

実際では、骨盤や腰椎のアライメントの個体差、支持性、固定性の能力なども影響するので、股関節伸展位を取り、内外転、内外旋を調節し伸張感が得られるところを探すのがいいのかもしれませんね。