中高年女性における腹圧性尿失禁症状とインナーユニット機能との関係性
生方瞳:中高年女性における腹圧性尿失禁症状とインナーユニット機能との関係性、理学療法学44(5)、2017
<対象>
・中高年女性101名(年齢70.1±12.5歳)。
・除外基準:神経障害による排尿障害者、尿失禁の治療を受けている者、腰痛または脊椎疾患者、妊娠中。
<結果1>
・尿失禁群 67名(66%):過去1ヶ月に尿失禁の症状があった者。
・非尿失禁群34名 :過去1ヶ月に尿失禁の症状がなかった者。
<結果2>
1)出産経験あり:尿失禁群59名(88%)/非尿失禁群31名(91%)
2)有意差なし
・出産回数、握力、CS-30テスト(下肢筋力)。
3)有意差あり:尿失禁群<非尿失禁群
・同時収縮および抵抗運動時の腹横筋厚、多裂筋断面積、骨盤底挙上量。
4)尿失禁を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析
・骨盤抵抗時の骨盤底挙上量。
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<尿失禁>
・成人女性全体の約35%に認められ、高齢になるほど増加(本間-2003、Hunskaar-2004)。
・経産婦の妊娠期の尿失禁有症率は47%(山崎-1999)。
・年齢や出産が危険因子とされ、骨盤底筋群の強化が有効とされる。
<骨盤底筋体操>
・女性下部尿路症状診察ガイドライン推奨グレードA(日本排尿機能学会-2013)。
・腹圧性尿失禁に効果が立証(Dumoulin-2010)。
・出産後の女性では、骨盤底筋と腹横筋の同時収縮によるex後にSUIが改善(Sapsford-2004)
・骨盤底筋群の持続収縮と早い収縮を行う。
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今回の報告では、腹圧性尿失禁に対して出産の有無はあまり関係がないようです。
骨盤底筋群や体幹の深部筋の機能低下の影響が大きそうです。
それであれば、改善可能ということになります。
参考文献
眞島美穂:骨盤底筋体操を取り入れた女性の健康づくり教室の成果、理学療法学43(5)、2016