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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

第13回 脳神経科学東京セミナー ①

教育講演;『リハビリテーションと中枢神経の再編ーパラアスリートの脳研究から見えてきたことー』中澤公孝先生 よりまとめ 

 

・パラアスリートは、損傷後の脳や身体組織の回復可能性を示す最高のモデル。

・トレーニングに伴い、脳の可塑性変化により再編される。

・損傷後の中枢神経の再編、身体の最適応は、最大級のモチベーションとハードトレーニングの帰結。

・代償性変化と可塑性変化が脳の再編を導く。

 

1)片側膝下切断選手(パラ走り幅跳び、パラ走り高跳び

・義足の膝関節周囲筋収縮時の脳活動領域は、両側性に活性化。

・同側性の皮質脊髄路が使われている可能性を示唆。

・義足の競技者のみに特徴的であった。

 

2)片側膝上切断(パラ走り幅跳び

・切断側、健側の膝、股関節周囲筋収縮時の脳活動領域は、両側性に活性化。

・義足のコントロールには健側下肢による操作も重要なため?

 

3)脳性麻痺(パラ水泳選手)

・右運動野、感覚野に広範な損傷があり、左半身に運動麻痺と感覚麻痺。

・平地歩行は不安定で、左肘関節は約90°屈曲位、左肩自動挙上は100°前後だが、水泳のストロークは痙縮が取れほぼ左右左なく行えている。

・水中での筋活動は、陸上での最大活動量を超えおり、健側には見られない活動を示す(3歳ころより水泳)。

・水中で運動機能が改善する要因としては、①postural threat(転倒脅威)の減少、②自律神経活動の変化などが考えられる。

 

4)脊髄損傷(パワーリフター選手)

・等尺性の筋力調節がパラ選手の方が安定している。

・脳での手の領域が広がり(下肢領域の可塑性変化として)、上肢機能が発達。

 

5)先天性上肢欠損(パラアーチェリー選手)

・足趾の機能は、健常大学生の手指機能と同等程度。

・本来の手の脳領域に、下肢 筋の領域が拡大。

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脳、身体、人間の可能性を示してくれます。

そして、大事なのはモチベーションとハードワーク。

やる気があって、一生懸命やる。

成功の秘訣ですね。