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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

第17回 東京スポーツ整形外科研究会 ①

プログラム1「アスリートの半月板損傷」

 

①「スポーツ選手における外側半月板損傷の諸問題」 東京医科歯科大学 運動器外科学 片桐 洋樹 先生

 

<部分切除術>

・術後成績は、長期ではあまりよくない

 →外側の荷重分散機能は外側半月板が70%を担っており、長期的には変形性膝関節症へ移行。

 →選手寿命が約半分に短縮。

 

<縫合術>

・中期では良好。

・長期では、約20%は変形性膝関節症。

・スポーツ復帰は、約6か月後。

・2年以内の再損傷は約25%。

 

<centralization法>

・荷重分散を再獲得。

・1年後の所見では、外側関節裂隙が約1㎜開大。

 

②「ACL損傷に合併する半月板損傷の診断と治療」 横浜南共済病院 スポーツ整形外科 林 陸 先生

 

③「半月板手術後のリハビリテーション」 関東労災病院 中央リハビリテーション部 今屋 健 先生

 

 

プログラム2「Jones骨折の治療と予防」

 

④「Jones骨折の危険因子と発生メカニズム」 帝京科学大学 医療科学部東京理学療法学科 村上 憲治 先生

 

・日本のサッカー選手の発症率は、欧米の10倍。

・人工芝>土、軸足>蹴り足。

・短腓骨筋などの機能があったほうが、予防できる?

 

⑤「Jones骨折の発生予防と外科治療」 順天堂大学整形外科 スポーツ診療科 齋田 良知 先生

 

<リスク因子>

ビタミンD不足、人工芝。

・股関節内旋可動域の低下(腹臥位で30°以下?)→下腿外旋→後足部回外→外側荷重。

 

⑥「再発予防のためのリハビリテーション」 横浜市スポーツ医科学センター リハビリテーション科 松田 匠生 先生

 

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Jones骨折のリスクを考慮すると、股関節内旋や第5中足骨周囲の可動域改善などによりキック動作やステップ、切り返し動作時などの外側荷重時の負荷を減らす必要があるかもしれません。

一方、そこの動きが変化することでプレーに影響が出る可能性も考慮しなければなりません。

可動域が出たことにより、動作にズレがでるかもしれません。

これは、投球動作やゴルフのスイングなどにも考えられます。

このようなことを考えると、特にプロスポーツ選手などの場合には、安易に他動的に可動域を変化させるようなことはちょっと怖いなという感じがあります。