.第17回 東京スポーツ整形外科研究会 ②
プログラム3「解剖とバイオメカニクスの新知見からみた股関節機能診断・リハビリテーション」 Steadman Philippon Reserch Institute 宇都宮 啓 先生
<Iliocapsularis muscle>
・腸腰筋深部に存在し、下前腸骨棘から小転子に走行し、関節包にも強く付着する。
・腸骨大腿靱帯、輪帯と連続している。
・股関節の動的安定性に関与。
<輪帯:Zona orbicularis>
・Iliocapsularisや内‐外閉鎖筋により緊張が高まると、大腿骨頸部を絞扼する形で安定させる。
・股関節伸展位では閉まる。
<股関節機能不全に対して>
1)骨盤機能障害(主に骨盤後傾不良)
・骨盤‐大腿リズムの破綻:股関節屈曲可動域に占める骨盤後傾は20‐30%。
・不良因子としては、股関節痛や炎症、仙腸関節や腰椎疾患、コア・スタビリティの不足。
2)代償運動の習慣化
・肩関節と同様にインナーとアウターの機能が同一であり、インナーの機能不全、アウターの過活動が生じている可能性。
・外閉鎖筋‐内転筋群、内・外閉鎖筋‐大殿筋、腸腰筋‐大腿直筋。
・外転は、大殿筋が大腿筋膜を介して求心位をとる。
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とても面白い内容でした。
文献もいくつかあるようなので、復習したいと思います。
股関節は、どうやってアウターを抑制して、インナーを働かせるかというのは日々、困っているところです。
股関節のポジションや荷重位、非荷重位などいま一つ、これだという運動がないのが現状です。
また、変形性股関節症の方は、適切な運動を行ってもらうことも難しい場合が多いような気がします。
誤った情報で運動学習してきたせいなのか、変形性膝関節症などと比べると、ボディイメージや立ち直りの反応が悪い場合が多く見られます。