.日本の経済成長と人口減少
先日、セミナーでデービット・アトキンソン氏の「生産性の向上について」という講演を聞きました。
国の豊かさを示す指標であるGDPは日本では、この30年ではほとんど横ばいの状態。
GDPは、人口×生産性で考えることができる。
日本の人口は、、2060年には生産人口が42.5%減少(3260万人)と、今まで経験したことのない低下が起こるため、GDP減少の要因となる。
生産性は、2017年の経済協力開発機構(OECD)加盟36カ国の中では21位と低い水準である。
人口減少の抑制は大きくは期待できないので、経済規模を維持するうえでは、生産性の向上が必須となる。
生産性の要素は以下の3つの要素がある。
①人的資本:給与など
②物的資本:設備投資など
③全容素生産性:経営力、組織力など
生産性の高い国と日本を比べると、①人的資本、②物的資本との差はなく、③全容素生産性の要因が高い。
したがって、働き方を変えても、生産性は変わらない。
生産性向上との相関は、以下の通り。
1)0.91:Entrepreneneurship(今まででないことに挑戦):
2)0.77:設備投資
3)0.66:社員教育
4)0.56:技術革新(イノベーション)
さらに日本では、1964年の中小企業優遇策により、規模の小さい企業が多く、これも生産性が低い要因となっている。
合併が進んで、企業規模を大きくしていく必要がある。
また、最低賃金と生産性には強い相関があるという報告がある。
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まずは、日本が今後どこを目指すのか?
国の経済規模を維持するのか、それともこのままじり貧でやっていくのか。
経済規模を維持するとなると人口を増やし、生産性を上げることが必要のようです。
人口に関しては、少子化の流れは変わらないので、移民になりますが色々とハードルが高く大きな規模は難しそうです。
生産性に関しては、経営力、合併、最低賃金などがキーワードになるようですが、最低賃金に関しては、雇用へのマイナス効果の報告もあり、生産性を上げる要因として疑問を呈している人もいます。
少子化に伴う経済規模の低下、低い生産性、社会保障の問題などもあり、子供を持つ親からすると、先行きがやや心配になります。
少子化対策も、保育所の整備や育児休業の推進などが挙げられていますが、本当にそこが問題点なのでしょうか?
社会保障など、子供たちの明るい未来が見通せないことも、影響しているのではないでしょうか。