popliteus mのブログ

整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.鎖骨遠位端骨折6ヶ月目

3月6日に久しぶりに診察に行ってきました(受傷後6ヶ月)。

 

現在の症状としては、

#1 鎖骨外側周囲の知覚過敏と三角筋前部付近の感覚鈍麻

#2 左肩の結帯時の痛み:ROMはほぼOKだが、背中の上を無理して掻こうとすると痛み。

#3 肩外側(おそらくワイヤー部)の刺激痛(時々)

 

6ヶ月を前にだいぶ良くなり、日常生活ではほとんど気にならない状態です。

#1が一番問題で、重いリュックはまだ背負えません。

また、仕事上、クライアントに片脚立位をさせるときに私の肩を把持してもらうことがありますが、不安定な人は手の支持が強いので嫌な感じがでます。

部位や広頚筋を収縮させると再現も出ますので、おそらく鎖骨上神経の問題と思われます。

経過としては少しずつ軽快しているので、受傷後2年後くらいまでは緩やかに改善していくと思われます。

 

診察では、ワイヤーの抜去をどうするか、ということでした。

#3の痛みや違和感がなければ、抜去しなくても問題なしです。

#3の刺激痛は1ヶ月前くらいは気になることが多かったのですが、最近はほとんど気にならなくなり順応してきました。

悩むところですが、抜去を見越して検査(CT、血液、心電図など)もしたので、4月にしてもらおうかと思います。

 

 

【鎖骨上神経(C3-4)】

<走行>

・C4-5から起こり、胸鎖乳突筋の後縁から現れて分岐する。

・内側枝、中間枝、外側枝に分けられる。

・後頸三角を通り、鎖骨のあたりで広頚筋と筋膜を貫通して皮下に出て、頸部下部から胸部上部の皮膚に分布する。

<分岐>

・頸神経叢(C1-4 )→鎖骨上神経

<知覚枝>

・頸部下部から胸部上部の皮膚

・肩前方・上方・後方

・鎖骨上窩部と肩の上面

 

【神経損傷】

<回復過程>

・軸策断裂では3週から3ヶ月(2005-栢森)。

・非常に敏感な炎症を起こした神経線維では、3%程度の伸張でも興奮する→正常な四肢の運動でも伸張される範囲(Kristjansson-2003)。

<二次的障害>

・末梢神経損傷により神経の滑走が低下することで周囲組織との癒着が生じると新たな組織障害を引き起こす可能性がある(2006-安部)。

 

参考文献

 

・鈴木麻由:転倒受傷による腕神経叢損傷患者の理学療法徒手理学療法8(1)、2008.

・疼痛を主体とする障害、Med reha17、2002.

・岩掘祐介:整形外科からみた痛みのリハビリテーション