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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.コーヒーの有効成分:カフェイン

【コーヒーの有効成分:カフェイン】

 

コーヒーといえば、カフェイン。

 

<機能>

1)抗炎症作用

2)鎮痛補助作用

3)脳神経の細胞を保護

4)脳機能の向上

5)体熱産生作用

6)脂肪分解

7)胃酸の分泌を高め消化促進

8)疲労の解消

9)利尿

10)不安の軽減

 

<心疾患>

・カフェインの300mg/日の摂取によって発送リスクが6%低下。

・心臓発作を起こしたことがある患者では、353mg/日のカフェインを摂取したグループはコントロールグループと比べて心拍数が改善し、心室不整脈のリスクが低下。

・アデノシンの働きをブロックして心臓のリズムを安定させるのに役立っている可能性がある。

 

パーキンソン病

・小腸からのカフェインの吸収力が低い人は神経が傷つきやすいと考えられ、パーキンソン病患者は、カフェインを小腸から吸収する力が弱いため血中濃度が低く、発症につながっている可能性がある。

 

一応、過剰摂取も注意が必要です。

・摂取量が9~10杯/日では、心臓不整脈のリスクが上昇。

エナジードリンク2本/日で、摂取から24時間は心悸亢進のリスクが上昇。

・毎日過剰に摂取し続けると、セロトニンが減少。

血中濃度が急激に高まると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安などにつながる。

・妊婦では取りすぎにより、低体重や健康へのリスクが高くなる。

・健康な人は1日400mg、妊婦や授乳婦では1日200mg程度であれば、健康リスクは増加しない(欧州食品安全機関:EFSA)。

※コーヒー100ℊで40-60㎎程度→マグカップ200ℊで3杯で約360㎎。

 

といろいろと効果がありましたが・・・。

死亡率の低下に関しては、カフェインによるものではなさそうです。

→カフェインの有無による死亡率の差はない(Marc−2017)。

→死亡率の低下とカフェインの関連性はないことが示唆(パク-2017)。

 

おそらくノンカフェインでも、死亡率が同様に低下しているということなのでしょう。

ということは、さんざん提示してきたカフェインの健康効果も死亡率に変化を与えるほどではないということになってしまいます。

 

また、カフェインの分解能に関しては、DNAによる個体差があり、これによりコーヒーが健康に良い影響をあたえるのか、悪い影響を与えるのかも変わってくるという説もあります。

これは、次回。

 

参考・引用書籍や資料

適量のカフェイン摂取、何をどれだけ飲むべきか?、Forbes、2018

・ヘルシーパス、緑茶と栄養②、No7230、2018

コーヒーもう一杯で死亡リスク数%減 欧州調査、日経Goody、2017