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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.ヘバーデン結節と全身性変形性関節症 ①

ヘバーデン結節と全身性変形性関節症 ①

 

へバーデン結節(HN)は、女性の中高齢に多い疾患で、遺伝的な要因により発症します。

全身性変形性関節症(GOA)の結節型の一つの症状と考えられ、HNが存在する場合、多関節の変形性関節症(OA)を有する可能性があります。

これらの関節変形のプロセスは、単関節や二次性のOAと異なり、関節周囲骨の膨隆が起こります。

 

このようなGOAによるOAは、メカニカルなストレスの要因で生じているのではなく、身体内部からの変化によるOAと考えられます。

したがって、外力から生じたOAではなく、内部からの変化によるOAに対しては、従来の運動学的や解剖学的などのアプローチは効果が低いことが考えられます。

イメージ的には、幼虫→蛹→成虫の変態過程の蛹の時のようなもの。

そうだとすると、このような時期は余計なことをしないで、見守ったほうがいいのかもしれません。

 

膝OAや肩関節周囲炎・・・確かに一定数、理学所見が乏しく、問題点と言えるものが見当たらない症例が少なくありません。

自分の力不足で評価しきれていないのかと考えていましたが、あながち間違ってはいなかったかもしれません。

 

そして、これは果たして悪い変化なのか?ということも考える必要があります。

HN持つ、膝や股関節の大関節OAでは、一般的なOAより手術になった年齢が高いとの報告があります。

もしかすると、関節周囲骨を膨隆させ、関節の接触面積を高め、結果としては骨や関節を保護するための変化なのかもしれません。

 

一方、結節性のGOAとそうでない人を見比べてみると、やはり骨疾患系の既往歴が多い傾向にあります。

今のところどっちがいいのかはなんとも言えない感じで、いろいろとデータを集めてみると面白いかもしれません。