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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.OF1-021「片側上肢への重錘負荷が歩行時の体幹筋活動に与える影響」

OF1-021「片側上肢への重錘負荷が歩行時の体幹筋活動に与える影響」川島 康洋
第46回日本理学療法学術大会 2011年


<対象>
・健常成人男性 8 名 ( 年齢 26.6 ± 6.2 歳)。

<測定課題>
・重錘負荷のない歩行 (負荷なし)、右前腕遠位部に体重 5% 、10%の重錘を装着した歩行 (5%負荷 ,10%負荷 ) 。
・ footswitch を用いて得たデータを一歩行周期の時間的割合から左右立脚前期・中期・後期に分けた。

<表面筋電図>
・左腹直筋(AB)、両外腹斜筋(EOB)、両内腹斜筋(IOB)、両腰部脊柱起立筋(LES)。

< 負荷 なし<10%負荷:有意差あり>
左AB  :右立脚/前期-中期-後期・左立脚/前期-中期-後期
左EOB:           中期-後期・左立脚/前期-中期-後期
右EOB:右立脚/前期-中期                 後期
左IOB :
右IOB :              後期・左立脚/前期
左LES :右立脚/前期-中期-後期・左立脚/前期-中期
右LES :           中期

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10%負荷だと、体重70kgで7kgの負荷ということで重たい鞄をもった状態に近そうです。

負荷が掛かっている反対側の腹筋群、脊柱起立筋の筋活動が高まります。

しかし、面白いことに、深層にある左内腹斜筋はあまり活動が増えていないようです。

内腹斜筋は、体幹前面-側面の深層筋で、腰部脊柱や仙腸関節の安定化機能があります。

いつも同じ側に重たい鞄を持って仕事をしている人は、筋-筋膜性、椎間板性などの腰痛の要因になるかもしれません。