popliteus mのブログ

整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

肩関節疾患

.第10回運動機能勉強会 ~「肩関節脱臼」~

3月9日は、久しぶりに菅谷先生の話が聞ける機会があったので、第10回運動機能勉強会 ~「肩関節脱臼」~ に参加してきました。普段、肩関節脱臼はほとんど診ませんが、術式や術後の経過などは理解しておいたほうが、患者さんの説明に幅がもてます。また、解…

.長胸神経麻痺(障害)

【長胸神経麻痺(障害)】 <特徴>・中斜角筋による固定、走行が長いため、肩甲角部での障害を起こしやすい。・走行が直線的で、斜角筋および前鋸筋で固定されているので、肩の強制的な下降や頚の反対側の屈曲で伸展されやすい。・絞扼ポイントは、中斜角筋…

「肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドライン」より

村木孝行:肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドライン、理学療法学43(1)、2016.<リスクファクター:推奨グレードB>・糖尿病、甲状腺疾患、血中脂質高値、代謝、内分泌、血液内科系の関与、デスクワーク。<経過>・疼痛が先行して生じ、その後肩関節の可動…

.腱板修復術後の肩甲上神経の潜在的ダメージに関する筋電図学的検索

【O-0250:腱板修復術後の肩甲上神経の潜在的ダメージに関する筋電図学的検索、高井 一志、第50回日本理学療法学術大会、2015.】 <背景>・腱板断裂修復術では、修復時の退縮した腱板の3cm以上の引き出しにより肩甲上神経の損傷のリスクが高くなる。 <対…

.拘縮(凍結)肩の責任病巣

【拘縮(凍結)肩の責任病巣】 <関節包>・関節包の線維膜は、凍結肩の一次性変化の責任病巣とされる。・拘縮肩の関節包には瘢痕化、線維化、短縮、癒着がある。・凍結肩における挙上の主な制限因子は関節包下部。・凍結肩の術中所見では、関節包の腋窩陥凹…

.「肩甲胸郭関節を中心とした肩甲帯の運動パターンと機能改善の質的検証」

【長谷川聡ら:肩甲胸郭関節を中心とした肩甲帯の運動パターンと機能改善の質的検証、理学療法学41(2)、2014.】 <対象>・健常男性17名(23.6±3.5歳)。・肩関節拘縮と診断された15名(55.2±4.1歳)。 <測定課題>・4秒で上肢を挙上する動作を連続5回行い…

.肩峰下インピンジメント-肩峰下滑液包炎

【肩峰下インピンジメント-肩峰下滑液包炎】肩峰下インピンジメントのNeerの分類(1983)では、StageⅠ: 滑液包の浮腫と出血、Overuse、25歳以下に好発StageⅡ: 滑液包の線維化と腱炎、25~40歳 StageⅢ: 骨棘形成と腱板断裂、40歳以上となっており、初期は肩…

.肩峰下インピンジメント

「高濱照:関節病態の評価に不可欠な動的解剖、理学療法学37(4)、2010.」より<解剖所見による肩峰下での考えられる衝突部位>1)肩屈曲30°程度・棘上筋腱と肩峰前方部分が衝突。・正常肩では、棘上筋腱と肩峰下は肩の挙上で常に衝突。・この部位での痛…

腱板断裂

【腱板断裂】肩の調子が悪くて、MRIをとったら腱板断裂の所見。断裂!なんて聞くと、ちょっとびっくりして、それだけで痛くなり、動きがおかしくなってしまいそうですが、転倒して肩を打った、重いものを持った時に急激に痛くなったなどといった明確な受傷機…

.拘縮(凍結)肩

<制限因子>1)烏口上腕靭帯・厚く肥厚、瘢痕化し、柔軟性の乏しい状態2)腱板疎部・瘢痕化し、強固な制限因子となる。 ①+IGHLC(下関節上腕靭帯複合体)の肥厚 ②+烏口上腕靭帯の瘢痕化3)関節包・腱板疎部周辺の線維膜の線維化、瘢痕化が著しい・関節…

「肩疾患の特殊性ー愁訴を取り除くためになにが必要か?」

「肩疾患の特殊性ー愁訴を取り除くためになにが必要か?」菅谷啓之:理学療法学39(7)、2012<中高年の肩関節疾患>・安静時痛や夜間痛がある場合、炎症があると考える。・炎症期には、徹底した安静と疼痛管理(消炎処置)。1)安静・炎症期には無理な可動域…

PI1-281「肩腱板修復術後患者の棘上筋テスト時における僧帽筋の筋活動について」

PI1-281「肩腱板修復術後患者の棘上筋テスト時における僧帽筋の筋活動について」田島 泰裕第46回日本理学療法学術大会 2011年【方法】・肩腱板修復術を施行された13例13肩。・棘上筋テスト陰性(良好群) 6 肩、陽性(不良群) 7 肩に分類。・肩関節外転 30°…