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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

手-肘疾患

.ヘバーデン結節と全身性変形性関節症 ④まとめ

ヘバーデン結節と全身性変形性関節症 ④まとめ ・HNがあると結節性のGOAの可能性が高い。・HNがあると膝OAや変形性脊椎症の割合が高い。・遺伝的要因で発症する。・女性、高齢で多い。・軟骨下骨の骨化の変化が生じ、関節周囲骨は膨隆する。 ・関節周囲骨を膨…

.ヘバーデン結節と全身性変形性関節症 ③HNとGOAと膝OA

ヘバーデン結節と全身性変形性関節症 ③HNとGOAと膝OA へバーデン結節(HN)および結節性の全身性変形性関節症(GOA)と変形性膝関節症(膝OA)との関係は比較的強い。 <膝OA>・膝OAの半数以上がGOAのいくつかの定義を満たしている(2011-Forestier)。・膝…

.ヘバーデン結節と全身性変形性関節症 ②HNとGOA

ヘバーデン結節と全身性変形性関節症 ②HNとGOA ヘバーデン結節(HN)とは、指の先端の関節(遠位指節間関節:DIP)が痛み、変形してくる中高齢の女性に多い疾患です。・70代女性で30%にみられる→男性は3%以下、50代女性1%(2006-Irlenbusch)。 <HNがあ…

.ヘバーデン結節と全身性変形性関節症 ①

ヘバーデン結節と全身性変形性関節症 ① へバーデン結節(HN)は、女性の中高齢に多い疾患で、遺伝的な要因により発症します。全身性変形性関節症(GOA)の結節型の一つの症状と考えられ、HNが存在する場合、多関節の変形性関節症(OA)を有する可能性があり…

上腕骨内側上顆炎4).

上腕骨内側上顆炎4) <関連筋>・円回内筋(PT)、橈側手根屈筋(FCR)、長掌筋(PL)。・まれに、尺側手根屈筋(FCU)、浅指屈筋(FCU)。 PT :上腕二頭筋腱膜、腕橈骨筋に覆われ、筋腹や腱膜は薄い。 正中神経が通過。FCU:細長い筋で、前腕の中部で長…

.上腕骨内側上顆炎3)

橈側手根屈筋、長掌筋が原因となる場合は、前腕回内よりも手関節の掌背屈の影響が大きいと考えられる。スイング動作で痛みが出る場合を考えると、ゴルフやテニスのインパクトでは手関節では中間位が望ましいが、タイミングが遅れて背屈位で打っていると過伸…

.上腕骨内側上顆炎2)

上腕骨内側上顆炎2) 理学療法としては、屈筋共同腱の変性や損傷などがあることから、屈筋共同腱に負担をかけないことが必要になり、痛みの出る動作や部位の把握が重要となる。 主に原因となる筋は、円回内筋、橈側手根屈筋、長掌筋とされる。 円回内筋が原…

.上腕骨内側上顆炎1)

【上腕骨内側上顆炎】※投球肘障害としての内側上顆炎は除く肘の内側痛でゴルフ肘とも言われる。発症率は外側上顆炎の1/6(Peter-1986)、3年後では81%で経過良好ということで、臨床では比較的地味な疾患。45-54歳、35-54歳(平均45歳)の発症率が高いとの…

上腕骨外側上顆炎 短橈側手根伸筋2)

【上腕骨外側上顆炎 短橈側手根伸筋2)】ECRBとテニス動作の関係では、バックハンドでの影響が大きい。・障害群はバックハンドインパクトでの活動が有意に高い(1999-Bauer)。・バックハンドでのacceleration~early follow-through phaseでは、高い筋活動…

.上腕骨外側上顆炎 短橈側手根伸筋1)

【上腕骨外側上顆炎 短橈側手根伸筋1)】上腕骨外側上顆炎は、退行性変性により脆弱した腱付着部に、無理な運動負荷が加わり、微細損傷や断裂を生じる。痛みの部位は、短橈側手根伸筋(ECRB)であるとされている。1)付着部付近・付着部の面積が小さい(20…

上腕骨外側上顆炎 理学療法2

【上腕骨外側上顆炎 理学療法2】上腕骨外側上顆炎が生じる要因を大まかにみると、・ECRB・静的アライメント・動的アライメント・日常動作の組み合わせがポイントになりそうです。例1)ECRBが硬い 橈骨頭が前方偏位 過回内で把持動作を繰り返す。例2)ECRB…

上腕骨外側上顆炎 理学療法1

【上腕骨外側上顆炎 理学療法1】「退行性変性により脆弱した腱付着部に、 無理な運動負荷が加わり、 微細損傷や断裂を生じる。」ということであれば、「脆弱した腱付着部に無理な運動負荷を加えない」ことが必要。「脆弱した腱付着部」とは、・短橈側手根伸…

.上腕骨外側上顆炎 治療2

【上腕骨外側上顆炎 治療2】<ストレッチ>・伸筋群のストレッチにより疼痛-機能ともに改善(2005-Martinez)。<筋力訓練>・遠心性運動は求心性運動に比べ有意に痛みが低下(2007-Croisier)。<ストレッチ(ST群) VS ストレッチ+筋力増強(MS+群)>(…

.上腕骨外側上顆炎 治療1

【上腕骨外側上顆炎 治療1】<保存療法>・殆どが保存療法で治り、手術適応は5-10%(Baker-2000)。・1年の経過で70~80%は自然治癒(薄井)。<薬物療法:NSAIDs>・痛みはプラセボ群よりも減少(1997-Lavelle、1998-Bumham、1999-Hay)。・プラセボ群…

.上腕骨外側上顆炎 発症要因

【上腕骨外側上顆炎 発症要因】 <筋力>・肩外転-内外旋筋力低下、屈筋群-伸筋群の筋力比減少(Alizadehkhaiyat-2008)。・筋のアンバランス(Kamien-1990、Ljung-1999)。・手-指関節の伸筋群筋力低下(Strizak-1983)。 <アライメント異常(坂田-2009)…

.上腕骨外側上顆炎

【上腕骨外側上顆炎】・上腕骨外側上顆に付着する手関節伸筋腱(長・短橈側手根伸筋、総指伸筋)の退行変性。・40歳以降にみられ、脆弱した腱付着部に無理な運動負荷が加わるために微細損傷や断裂を生じる。<神経絞扼障害>・3ヶ月以上続く肘外側部の疼痛が…