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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.ソマトポーズとサルコペニア・骨粗鬆症との関連

【O-0040:ソマトポーズとサルコペニア骨粗鬆症との関連、山田実、第50回日本理学療法学術大会(東京)、2015.】

 

<ソマトポーズ>

・加齢に伴ってインスリン様成長因子(IGF-1)の血中レベルが低下すること。

サルコペニア骨粗鬆症メタボリックシンドローム、認知機能低下などに関連すると考えられている。

 

IGF-1>

・成長ホルモンの刺激によって主に肝臓で生成される。

・骨格筋収縮によって分泌が促進される。

 

<対象>

・要支援、介護認定を受けていない健常な地域在住高齢者。

 

<結果>
1)参加者

・男性421名(74.3±5.9歳)、女性720名(73.8±5.6歳)、合 計1141名。

2)サルコペニア有症率(運動機能低下、骨格筋量減少の両者を兼ね備えるもの)

・男性12.9%、女性6.5%。

3)骨粗鬆症の有症率(若年比較比が70%未満)

・男性27.2%、女性29.7%。

4)血清IGF-1

・男性103.1±33.9ng/ml、女性88.4±28.4 ng/ml

・加齢とともに減少する傾向

・低くなるほどサルコペニア骨粗鬆症の有症率は有意に高まった。

 

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血清IGF-1が低くなるほど、骨粗鬆症サルコペニアの有症率が高くなっています。

 

IGF-1は、活動中の筋肉がさらに多くの燃料を欲する時に放たれるホルモンで、機能としては、

グルコースを細胞まで運ぶ。

ニューロンを活性化し、セロトニングルタミン酸を作らせる。

・BDNF受容体の生成を促し、ニューロンの結びつきを強くし、記憶を確実なものにする。

などがあります。

 

筋の収縮により、放出されるので日常の運動が大切になります。

なってからでは遅いので、若いうち(40-50代)からマメに動いたり、階段などを利用したり、日常の活動量をあげておくことが大切だと思います。

 

また、健常者でも70歳くらいでは、サルコペニアで10%程度、骨粗鬆症で30%程度いるということや、サルコペニアは男性の方が多い、骨粗鬆症も男性が多いとういう情報は参考になりました。

臨床では、サルコペニアで1:3、骨粗鬆症で1:10くらいの感じなので意外でした。


とにかく、動くことが大事です。
休んでて(寝てて)良くならないものがほとんどです。
人にしてもらうよりも、自分で動かす。
方法や量は教わり、自分でする方が効果的です。
 

参考文献

J. Ratey、Eric Hagerman:脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方、2009

奥村歩:MCI(認知症予備群)を知れば認知症にならない!、2014