【日銀の金融政策の新枠組み(上):債務削減へ金融抑圧 強化】 日経、経済教室より
【日銀の金融政策の新枠組み(上):債務削減へ金融抑圧 強化】
カーメン・ラインハート ハーバード大学教授
日経新聞、経済教室より
<国家が債務比率を下げる方法>
1)経済成長
・理想的だが、人口が増加し、技術革新による生産性向上の時期でも容易ではなかった。
2)厳格な財政調整または緊縮
・政府による増税や支出削減は、不人気で政治的論争の的になりやすい。
3)官民の債務の明示的な不履行または再編
4)急激なインフレ
5)実質金利を低水準にする一貫した金融抑圧
・名目金利を本来よりも押し下げることで、債務に対する政府の利払いは減少する。
<金融抑圧>
・日銀は、10年物国債の名目利回りがほぼゼロ%になるように介入。
・インフレ率が上昇→国債の実質利回りはさらにマイナス→円安→インフレ押し上げ圧力→既存の債務は目減り。
・ある程度のインフレのない限り、金融抑圧で債務削減を実現することはできない。
<金融抑圧の問題点>
・インフレを高めに誘導する直接的なメカニズムを持ち合わせていない。
・インフレが勢いを増した場合、それを適切に沈静化するメカニズムも持ち合わせていない。
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1)経済成長による債務削減は、人口減少などから困難
2)財政調整や緊縮も、政治的に困難
3)4)になると大混乱
5)マイルドなインフレにならないと難しく、インフレ自体はコントロールできない
問題なく債務削減できたら、奇跡的ですね。