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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

外脛骨と後脛骨筋腱

「The relationship between the tibialis posterior tendon and the accessory navicular」
Esat Kiter(2000)Ann Anat182:65-68

・外脛骨の13例中9例で、後脛骨筋腱は足底部までの連続性が無く外脛骨で停止。

後脛骨筋腱は
1)外脛骨まで付着する線維
2)外脛骨から起始して楔状骨や中足骨に及ぶ線維
に分かれる。

・この二つの線維のどちらか一方を牽引しても他方に緊張は及ばない。
・二つの組織をつないでいる組織も存在したが、肉眼的には通常の腱の特徴をそなえておらず、組織学的にも退行変性様で、牽引の緊張も及ばない。

・したがって、足部への連続性が無いため、偏平足に対して抵抗できない。

・さらに、後脛骨筋腱の機能不全を下腿三頭筋で代償することで、距骨下関節での底屈が大きくなり縦アーチの破綻を助長し、偏平足を生じさせる。

・しかし、この理論では外脛骨による痛みを説明できない。

・Sellaらの報告では、距骨下関節が回内すると後脛骨筋腱によって、軟骨結合部に圧縮や緊張、剪断力が生じ、軟骨結合の損傷や痛みを生じさせる。