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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.PI1-017 「片脚起立時の内部股関節外転モーメントと股関節内転筋と外転筋の筋活動様式につい

PI1-017 「片脚起立時の内部股関節外転モーメントと股関節内転筋と外転筋の筋活動様式について」中本舞
第46回日本理学療法学術大会 2011年

片脚起立動作時の内部股関節外転モーメント発生に関与する、
股関節外転筋と股関節内転筋の筋活動について検討。

左片脚起立時の%IEMGは、
大腿筋膜張筋:22.70±12.06%
中殿筋   :39.35±22.58%
大殿筋   :43.32±29.26%
内転筋群  :4.80 ± 4.38%
大腿筋膜張筋、中殿筋、大殿筋の%IEMGの増大は、
内部股関節外転モーメントの減少。
内転筋群の%IEMGの増大は、
内部股関節外転モーメントの増大につながる。

剛体モデルを用いた力学的ミュレーションでは、
歩行時の股関節外転筋と内転筋の同時収縮により、
股関節の安定性に貢献していることが明らかになっている。

股関節内転筋群は、
歩行立脚期の骨盤の支持側への移動と大腿骨の直立化に貢献。

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片脚立位時や歩行時の股内転筋群の活動は強すぎても、
弱すぎてもダメという感じでしょうか。

それぞれの筋の割合が、
骨盤の位置や姿勢によりどう変化するのか?
変形性膝関節症や変形性股関節症ではどうなるのか?
といったところも興味があるところです。

<股内転筋群>
・大殿筋の下部線維も内転に作用。

・変形性膝関節症では、
 立脚初期の股関節内転の活動が低下するとの報告あり。

・骨盤を安定させるアウターユニットの前斜系として、
 反対側外腹斜筋とリンク。

・腰痛を体験したことのあるランナーには、
 明らかな弱化があるとの報告もある。