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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

PI1-073「肩関節挙上運動時にみられる肩甲骨の変位の分析」

PI1-073「肩関節挙上運動時にみられる肩甲骨の変位の分析 -肩甲骨面での挙上運動時の計測より-」 山﨑 敦
第46回日本理学療法学術大会 2011年

・肩関節外転に伴い肩甲骨は上方回旋、後傾は有意に増加。

・肩甲骨の上方回旋・後傾運動は挙上運動の初期には少なく、
肩甲上腕関節での運動が有意であることが示唆された。

・挙上運動の初期段階に後傾させることは、
肩関節におけるレバーアームの観点から
最も外的モーメントが大きくなる 90° 挙上位で
上方回旋運動を導くことが推察される。

・臨床的には、9 0 ° 以 上の肩関節挙上運動を確立させるには、
初期の肩甲骨の後傾運動を獲得することが重要と思われる 。

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肩甲骨の後傾の獲得。

肩甲骨後傾の制限因子としては、

小胸筋、肩甲挙筋、三角筋のタイトネス、

僧帽筋、前鋸筋の機能低下などが要因としてあげられる。

でもこの後傾の獲得がなかなか難しく、

臨床上、苦労させられている所ばかりです。

特に、小胸筋や肩甲挙筋・・・

側臥位で肩甲骨を他動的に後傾に動かすと
下方回旋してしまう場合が多く、
後傾しながら上方回旋がしにくい場合が多い。

さらに動きが悪い人では、肩甲骨の動きに伴い、
頭部が枕から離れてしまう場合もある。

拳上初期には肩甲骨を後傾させ、
上方回旋へつなげるというイメージですね。

がんばろっと。