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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

PI1-212「骨粗鬆症に対する運動療法と薬物療法の相乗効果について(第 2報)」

PI1-212「骨粗鬆症に対する運動療法薬物療法の相乗効果について(第 2報)」秋山 泰大
第46回日本理学療法学術大会 2011年

【方法】
骨粗鬆症と診断された 60 歳以上の女性 58 例。
A 群  : リセドロネート投与群 18 例
P 群  : 運動療法群 18 例
A+P 群 : リセドロネート投与+運動療法群 22 例

【結果】
<A+P 群>
・骨量、血液データ、身体機能、 QOL の全項目に介入後の向上を認めた。

【考察】
・骨代謝マーカーは薬物療法を実施した A 群、A+P 群でのみ改善しており、骨量向上の要因は服薬効果が考えられる。

・しかし、服薬のみでは有意な向上は認められず、骨の圧迫応力が期待できる運動療法を併用することが望ましいと考えられる。

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<骨量を増加させる運動>

・長年太極拳を実施してきた人は骨密度が高い(2007-金)。

・散歩の習慣を有する高齢者は骨萎縮が少なかった(2005-林)。

・充分な皮質骨の骨量や骨強度の増加を得るには、
1日5回のジャンプで十分である(1997-Umemura)。

・骨量は筋力、ジャンプ力を鍛えるスポーツ選手では高く、
長距離ランナーや水泳選手では低い傾向にある(1993-Sominen)。

※peak bone massを上げるには初潮前の時期が重要となり、
成長期以後の運動による効果は比較的少ないとの報告もあるので、
子供の時は身体を動かして遊ばせることが大切ですね。

引用文献

101)岩本潤:骨粗鬆症運動療法(1)、MB Med Reha89、2008.

102)宮腰尚久:運動による骨粗鬆症-骨量-筋肉-バランス機能への効果、臨床スポーツ医学25(3)、2008.