OF1-061「若年女性および高齢女性の骨盤底筋機能と腹圧性尿失禁の関連」

OF1-061「若年女性および高齢女性の骨盤底筋機能と腹圧性尿失禁の関連」森 奈津子
第46回日本理学療法学術大会　2011年


・腹圧性尿失禁 (stress urinary incontinence; SUI) は女性に多く、分娩・加齢・肥満によりリスクが高まることが知られている。


＜対象＞
・若年女性33名(年齢21.3±1.2歳)と高齢者39名(年齢70.3±2.9歳)。

＜若年女性／高齢女性＞
・尿失禁がない者：23 名 (69.7%)／18名(46.2%)
・SUI：8名 (24.2%／13名(33.3%)
・軽度SUI：8名／11名
・切迫性尿失禁：0名／7名(17.9%)
・混合性尿失禁：2名(6.1%)／1名 (2.6% )

＜骨盤底挙上量：若年女性＞
・尿失禁なし群： 9.1 ± 5.1mm
・軽度 SUI 群：3.3 ± 5.6mm
※尿失禁なし群に比べて、軽度 SUI 群は有意に小さい (p < 0.05)。

＜骨盤底挙上量：高齢女性＞
・尿失禁なし群：7.3 ± 7.0mm
・軽度 SUI 群： 6.2 ± 7.0mm
・切迫尿失禁群： 6.4 ± 7.1mm
※各群の間に骨盤底挙上量の有意差はみられなかった。


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・興味深い結果です。

・若年女性の軽度SUIでは、明らかに骨盤底筋群の機能が低下しているのに対して、高齢女性ではあまり低下していません。

・言い換えると、若年女性では骨盤底筋群の機能を改善させることで、軽度SUIの改善が期待できます。

・しかし、高齢女性ではその他の要因が考えられるので、あまり効果が期待できないかもしれません。