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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

人工股関節全置換術を待機している変形性股関節症患者の主観的疼痛に関連する因子

「人工股関節全置換術を待機している変形性股関節症患者の主観的疼痛に関連する因子」
理学療法学39(2)2012

<対象>
臼蓋形成不全による二次性股関節症者32名。
・女性 31名、男性1名
・平均年齢約62歳
BMI 22.4

<結果>
股関節痛の関連因子として、
・最小関節裂隙幅(MJSW)
・自覚的stiffness(朝起床後の歩行開始時の股関節の硬さやこわばり)
が選出。

・関節可動域との関係は認めなかった。

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重症度の高い股関節症の痛みの要因としては、関節の狭さと自覚的stiffnessが影響しているようです。

関節が狭くなると、
・関節軟骨の摩耗により生じた軟骨片や軟骨分解産物による滑膜炎
・軟骨下骨への過剰なストレスによるmicro fracture(微細損傷)
により股関節痛が生じる(速水-2007)。

初期より可動域ばかりに目をうばわれず、
関節内の動きを確保していくことが必要かもしれません。