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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.松葉杖の使用方法が下肢荷重率に与える影響̶ー松葉杖と両松葉杖の比較

PI2-018 「松葉杖の使用方法が下肢荷重率に与える影響̶ー松葉杖と両松葉杖の比較」木島 隆:第46回日本理学療法学術大会、2011年

<方法>
・健常成人27名(男性14名、女性13名:)。平均年齢31.3歳
・片松葉杖群14名(男性7 名、平均年齢29.9歳。
・両松葉杖群13名(男性7名、平均年齢33.6歳
1)平行棒内での部分荷重練習(右下肢を患側と仮定し1/2PWB)。
2)松葉杖を使った部分荷重での歩行練習。片松葉杖群は左に松葉杖を持たせ歩行。

<平行棒内での部分荷重訓練後>
1)片松葉杖群の荷重量:右(患側)0.51 ± 0.03、左 0.49 ± 0.03
2)両松葉杖群の荷重量:右(患側)0.50 ± 0.03、左 0.50 ± 0.03

<松葉杖を使っての部分荷重での歩行練習後>
1)片松葉杖群の荷重量:右(患側)0.49±0.03、左0.51±0.03
2)両松葉杖群の荷重量:右(患側)0.05±0.04、左0.05±0.04

・片松葉杖群:歩行前後で有意差があり、健側への荷重が多かった。
・両松葉杖群:健側、患側の荷重の有意な差は無かった。

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片松葉杖だと、健側荷重の異常歩行を学習してしまうようです。

両手が塞がってしまったり、煩わしいなどのデメリットはあるのですが、両松葉杖の方が二次的な障害の予防になりそうです。

片松葉杖の期間が長くなりそうな場合や患側への荷重を過度に回避してしまうような方には、両松葉も取り入れるといいかもしれません。