popliteus mのブログ

整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.膝窩筋

【The patterns of proximal attachments of the popliteus muscle: Form and function】
Aporn Chuncharunee et all:Medical Hypotheses 78 (2012) 221–224

タイ人39体(男性27名、女性12名:39-95歳)73膝での調査。
膝窩筋の付着部は、大腿骨外側顆(100%)、外側半月(63%)、腓骨頭(52.1%)。

付着のパターンは4つに分類できる。
1)大腿骨外側顆のみに付着(13.7%)
2)大腿骨外側顆と外側半月に付着(34.2%:強く付着17.8%、弱く付着16.4%)
3)大腿骨外側顆と腓骨頭に付着(23.3%)
4)大腿骨外側顆、外側半月、腓骨頭に付着(28.8%:強く付着9.6%、弱く付着19.2%)。

外側半月に付着するものの中にも、強いものと半透明の弱いものがある。
弱いものは高齢者で多く、加齢や怪我などによる膝の異常運動や可動域制限の結果、萎縮した結果ではないかと推測される。

腓骨頭の付着は連続性を考慮するとpopliteofibular ligamentと報告されているものに相当する。
しかし、popliteofibular ligamentは80-100%の存在率とされており、本結果の52.1%とは差がある。
これは人種や年齢による差なのかもしれない。

外側半月、腓骨頭の付着は膝関節の安定性に影響を与え、この付着パターンのバリエーションは、進化過程、加齢、怪我などが考えられる。