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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.頚椎椎弓形成術後患者の短期治療成績

0202「当院における頚椎椎弓形成術後患者の短期治療成績 ─ JOACEMQ(日本整形外科学会頚部脊髄症評価質問票)を用いた比較─」
石谷 勇人、第47回日本理学療法学術大会、理学療法学39(1)、2012

<対象>
・片開き式頚椎椎弓形成術を施行した35名(男性30名、女性5名、年齢65.7±12.2歳)。

<結果:術前/術後(77.4±50.6日)>
1)JOACMEQ(髄症評価質問票)
・頚椎機能:66.3±25.7/62.1±26.5
・上肢運動機能:70.1±20.6/79.3±17.9※
・下肢運動機能:62.2±28.4/72.5±25.5※
・膀胱機能:71.6±24.7/79.7±18.9※
QOL:39.9±16.6/47.1±12.0※
2)VAS
・首や肩の痛みやこり:56.4±25.2/41.8±24.8※
・胸を締め付けられる感じ:9.9±20.4/3.0±7.6※
・腕や手の痛みや痺れ:64.9±26.7/38.0±27.4※
・胸から足先にかけての痛みや痺れ:40.3±32.9/34.4±31.1

※術後で有意な改善

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頚椎や腰椎の手術は、症状の進行防止のために行われることも多く、肩や膝の手術に比べて症状の改善が著明でない割合が高い。

そのため、手術の意図を理解していないと、術後の満足度が低いこともある。

今回の報告では機能や主観的な評価は概ね改善がみられている。

しかし、手術部位である頚椎機能や下肢症状が問題として残存する可能性が高いようである。

頚部に関しては、創部の熱感の残存、頚部伸筋の萎縮が問題となることが多い印象がある。

また、胸郭から体幹、下肢の動きを出して、頚部へのストレスを軽減したいが、tightnessというよりもrigidで改善しにくい。