popliteus mのブログ

整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

関東甲信越ブロック 早期変形性膝関節症の機能特性

第32回 関東甲信越ブロック 2013年11月2、3日。

ランチョンセミナー
「早期変形性膝関節症(早期膝OA)の機能特性」

1)早期膝OA(Grade3以下:横浜市大式)の特徴
早期膝OA244名と健常群34名の比較。
早期膝OA群、Grade平均1.9、VAS平均16.1mm。
早期膝OA群が、健常群に比べて有意に低値を示したものは、
・膝伸展筋力:34%↓
・膝伸展可動域:-5.9°/0.4°
・歩行速度
膝屈曲可動域は有意差なし:142.3°/147.1°

2)早期膝OAの身体活動量とQOLの関係
早期膝OA18名(VAS29.4mm)、健常群15名との比較。
早期膝OA群が、健常群に比べて有意に低値を示したものは、
・膝伸展筋力
・膝伸展可動域:-4.6°/3.4°
・歩行速度
低値を示したが、有意差がみられなかったものは、
・膝屈曲可動域:約148°/約153°
・運動量
・歩数


早期膝OAでは、膝伸展筋力などの身体機能は低下しているものの、活動量はそれほど低下していないことが示唆される。
高いADL活動は、膝OAの進行を早めるという報告もあり、身体機能にあったADLが望まれる。
後期膝OAに移行するのを予防するには、適切なADLレベルとともに、身体機能の維持や改善が必要であると考えられる。
早期膝OAの特徴である膝伸展筋力と伸展可動域の改善がポイントになる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

特に膝伸展可動域が重要のようです(口述発表でも同様の報告がありました)

最近、膝痛で思うのは、膝周囲に関しては、
遊脚時の内側広筋の機能、
立脚初期の大腿四頭筋の遠心性収縮から求心性収縮の切り替わりの機能やタイミング
が重要ではないかと。
これらがうまくいかないと、後ろの筋肉で硬めて伸展制限を起こしてしまうような気がします。