妬み情動経験が痛みの主観的強度に及ぼす影響
【O-0348:妬み情動経験が痛みの主観的強度に及ぼす影響、赤口諒、第50回日本理学療法学術大会2015.】
<対象>
・健常大学生20名(Affect群14名、Control群6名)
<方法>
1)痛み刺激
2)課題
※Affect群:情動刺激
・会社員の主人公(被験者本人)が重大な企画を任されることとなっていたが、不運にも交通事故に遭い、ライバルに手柄をすべて奪われることで妬み情動を抱かせる内容のスライド(約130枚、所要時間約7分)。
※Control群:シャム刺激(効果のない刺激):
・世界格国の国旗を説明したスライド(約20枚、所要時間約7分)。
3)痛み刺激
<心理学的評価>
・State-Trait Anxiety Inventory(STAI):状態・特性不安の評価。
<結果>
1)課題前後の痛み主観的強度の比較
・Affect群において有意な痛みの増加を認めた。
2)情動喚起量(妬み、劣等感、敵対心)と痛み主観的強度の相関関係
・敵対心:痛み主観的強度と正の相関関係(課題前、課題後ともに)
・劣等感:高い群では、痛みの増加量とSTAI1(状態不安)との間に正の相関関係。
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妬みは、自己の痛みを強く感じさせる。
敵対心は、自己の痛みを強く感じさせる。
妬みや敵対心は、スポーツ選手、芸能、ビジネスなどで成功する上では、ある程度必要な要素だと思っていました。
しかし、妬みや敵対心から得られるエネルギーは、上手く昇華できないものなのかもしれません。
人と比べるのではなく、純粋に、楽しい、上手くなりたい、強くなりたい、喜んでもらいたいなどが、結果として成功や満足を導いてくれるのかもしれません。
妬み、敵対心など負のエネルギーも結局、自分に跳ね返ってきてしまう。
変えられるのは自分。
人の成功、幸福を願うだけで痛みが楽になるかもしれませんよ。