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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.腹横筋厚変化率および骨盤傾斜角・股関節形態からみた変形性股関節症患者の特徴

堀弘明:腹横筋厚変化率および骨盤傾斜角・股関節形態からみた変形性股関節症患者の特徴、理学療法学43(3)、2016

 

 

変形性股関節症群>

・人工股関節全置換術を目的として入院した、変形性股関節症患者(術前)。

・除外基準:既往歴に腰痛等の整形外科的疾患・手術歴のある者、対側股関節に手術をしている者、腹部に手術のある者、一次性、両側性。

 

変形性股関節症群の腹横筋変化率と中等度の相関があるもの>

・正の相関:腹横筋変化率と骨盤傾斜角、大腿骨頭被覆率

・負の相関:腹横筋変化率と骨頭外方化指数、骨盤傾斜角と骨頭外方化指数

 

<腹横筋変化率に影響を及ぼす因子>

・骨盤傾斜角、大腿骨頭被覆率。

 

<まとめ>

変形性股関節症群では、

・正常値より骨盤前傾位で、骨盤前傾位ほど腹横筋厚変化率は低値の傾向。

・正常より骨頭外方位(求心性の低下)で、骨頭外方位ほど腹横筋厚変化率は低値で骨盤は前傾位の傾向。

・正常より骨頭被覆面積は減少しており、被覆面積が低いほど腹横筋厚変化率は低値の傾向。

 

変形性股関節症では、大腿骨頭外方化などにより、大腿骨頭被覆率が低下し、骨盤前傾による代償が生じる。この不良姿勢により、腹横筋の機能低下が生じると考えられる。

 

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関節面を保護する観点からは被覆率を上げたいので、骨盤の前傾を促したいところですが、前傾が強すぎても腰痛などの問題も出てきて悩ましいところです。