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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

高齢者の自動車事故

<横浜・小1死亡事故>運転の87歳逮捕…前日から車で走行

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161028-00000117-mai-soci

 

事故を起こした方は、前日の朝から外出していたということで、認知機能の問題が疑われるかもしれません。

 

記事では、2013年11月に認知症の検査を受け異常がなく、同12月に免許を更新となっており、約3年が経過しています。

 

これでは、現在の正確な状態を把握するのは困難です。

 

高齢者では、認知機能だけでなく、視覚機能、運動機能、感覚機能などあらゆるものが、残念ながら確実に低下しています。

 

もちろん、個人差があるので年齢だけでひとくくりにするのは良くないかもしれません。

 

しかし、下は18歳にならないと免許がとれません。

 

高齢化が進み、今後このような事故は増加すると考えられます。

 

犠牲者を出さないためにも、年齢の上限も決めては良いのではないでしょうか?

 

どうしても乗りたい人は、厳格な機能検査を数ヶ月に1回は実施するというのもいいかもしれません。

 

みなさんは、助手席に乗ってもよいと思うのは何歳までですか?

 

そのあたりが上限になるのかもしれません。

 

 

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【高齢者】

 

<脊髄神経>

・脊髄での運動神経の数は、60歳くらいまでは維持されるが、高齢になると約50%減少。

・脊髄前角では、前角細胞数、神経線維の減少、髄鞘の変性、結合組織の増加。

・伝導速度の速い太い神経線維の減少が著しく、神経伝導速度は遅延。

 

<末梢神経>

・坐骨神経は、60歳以降で直径5um以上の線維が大きく減少、直径0.5um以下の細い線維の割合が増加→加齢とともに節性脱髄、変性、再生を繰り返している。

 

<マイスナー小体>

・手のひらや足底に多く存在し、10~20歳では25個/mmだが70歳を超えると7個/mmに減少。

 

<筋代謝

・高齢者は筋代謝により多くのBCAAを要し、アミノ酸摂取に対する筋タンパク合成反応も減弱し、遅延する。

 

参考文献

・竹内弥彦:転倒防止から考える高齢者の姿勢調節能、理学療法の科学と研究5(1)、2014.

・池田崇:分枝鎖アミノ酸(BCAA)摂取を併用した通所リハビリテーションが要介護高齢者の筋力とバランス機能に与える影響、理学療法学42(2)、2015

・池田崇:分枝鎖アミノ酸摂取を併用した通所リハビリテーションが要介護高齢者の筋力とバランス機能に与える影響、理学療法学42(5)、2015