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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

膝前十字靭帯再建術に伴う半月板治療の違いが重心動揺や下肢荷重比率に与える影響

【O-0409:膝前十字靭帯再建術に伴う半月板治療の違いが重心動揺や下肢荷重比率に与える影響、鈴木弘大、第50回日本理学療法学術大会(東京)、2015.】


<対象>

・膝屈筋腱を用いたACL再建術326例。

 :単独群121例(男性73例、女性48例、31.5±5.7歳):半月板の処置を行わなかった症例。

 :縫合群134例(男性80例、女性54例、30.5±5.0歳):半月板縫合術を行った症例。

 :切除群  71例(男性38例、女性33例、37.5±2.8歳):半月板切除術を行った症例。


<結果:術前→術後>
1)開眼総軌跡長

・単独群:74.9±50.7cm→69.2±16.3cm

・縫合群:70.3±19.3cm→70.0±18.1cm

・切除群:70.5±27.9cm→67.5±15.6cm

※各群間での統計学的有意差なし。

2)閉眼総軌跡長

・単独群:107.8±34.4cm→ 104.4±31.3cm

・縫合群:111.9±48.5cm→ 104.5±35.5cm

・切除群:113.5±45.8cm→ 108.2±42.4cm

※各群間での統計学的有意差なし。

3)下肢荷重比率

・単独群:49.2±3.2%→50.3±2.7%

・縫合群:48.3±4.6%→50.1±2.7%

・切除群:49.0±3.8%→49.9±2.8%

※各群間での統計学的有意差なし。 



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・総軌跡長、下肢荷重比率に対して、半月板の影響はそれほど大きくなさそうです。